東京高等裁判所 昭和40年(ネ)2654号 判決 1966年7月26日
控訴人 清水忠次
右訴訟代理人弁護士 吉江知養
被控訴人 大一商事こと 大町誠
右訴訟代理人弁護士 檜山雄護
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は本件口頭弁論期日(第四回)に出頭しないので陳述したものとみなした控訴状によると控訴の趣旨は「原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求めるにあり、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の事実上の主張、証拠の提出、認否、援用は原判決事実欄に記載のとおりであるからこれを引用する。
理由
成立に争のない甲第四号証の一、二、第五号証、第六号証の一、二、原審にある証人阿部和夫の証言および控訴人本人尋問の結果の一部(後記認定に反し措信しない部分を除く)とこれにより真正に成立したと認める甲第一ないし第三号証(裏面の被控訴人の記名捺印部分を除いては成立に争がない)を総合すると、控訴人はその振出しの約束手形および小切手(甲第四ないし第六号証の二)がいずれも不渡となったところから、昭和四〇年三月末頃、訴外松井二郎にその解決方一切を依頼し、小切手帳および印鑑を交付したので、訴外松井一郎は被控訴人と交渉の結果、被控訴人所持の小切手(甲第六号証の一、二)についてはこれを書換え、その他の債権者所持の約束手形および小切手については被控訴人が手形、小切手金を支払って買戻し、その手形および小切手に対して、被控訴人に書き換え小切手を交付することを約定し、訴外松井において署名代理して被控訴人主張の各小切手(ただし先日付)を振出したことおよび、被控訴人が右小切手を昭和四〇年四月六日、同月九日支払人に呈示して支払を求めたが拒絶され、各小切手に右呈示の日を表示して、支払拒絶宣言を得て現にこれを所持していることが認められ、前記控訴人本人の供述中右認定に反する部分は措信できないし、ほかに右認定を左右する証拠はない。
したがって、被控訴人の右手形金計三〇万円およびこれに対する呈示の日より後である昭和四〇年五月一三日以降完済まで小切手法所定年六分の利息の支払を求める請求は正当であり、これを認容した原判決は相当である。<省略>。